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大手製造メーカー勤務。普段気になったこと、ビジネスモデル考察、本の感想などについて書いていきます。

アマゾンをつくった仕事術 ジェフ・ベゾス【読書】

ジェフ・ベゾスがどのような経緯でどのようにアマゾンを

作ったのかを簡潔に書いた1冊。

非常に読みやすく本を読みなれている人ならば2時間もあれば

読破できるでしょう。

 

<目次>

第1章 行動は熟考より正しい

第2章 道なき道こそ近道だ

第3章 未体験を商品化する

第4章 お客様の時間を節約せよ

第5章 解決案は「徹底的に!」

第6章 儲けを投資に使い切る

第7章 一生単位で一日を見直す

 

 

ベゾスは子供のころ、考えるより行動していたという。

とにかく好奇心旺盛で何かに集中するとイスごと一緒に移動させられて

いたという話もある。

また、本も大量に読み漁る、いわゆる「本の虫」だった。

 

先日記事にイローン・マスクの際にも書いたが、

天才と呼ばれる人は子供時代に大量の本を読んでいる傾向があるようだ。

やはり、読書量はかなり重要なファクターとなっているようだ。

 

ベゾスは学生時代から非常に優秀な成績を収めており、

周囲からも努力がすごいといわれるほどであった。

8歳の時に学力測定試験で優秀な成績を取り、先進的な教育で

知られた小学校に進んでいる。

中学校では英才教育プログラムを受け、

高校では680人中トップで卒業し、全米優秀生徒にも選ばれている。

さらに、大学でも大統領を二人も出した名門プリンストン大学

首席で卒業している。

ただの天才ではなく、さらに努力も並外れていたと言う。

 

並外れた業をなす人間は子供のころから並外れていた

と言うことだが、凡人のぼくには少し嫉妬心が出てしまう。

表面的にいくら真似しても本質部分のレベルが

ここまで違うのでは、真似しても違うものができあがりそうだ。

 

 

真似といえば、ベゾスも様々な企業の取り組みを真似していた。

例えば、起業は「ガレージ」ときめてガレージに非常に

こだわりを持っていた。これはパソコンメーカーの

ヒューレット・パッカードに憧れてのこと。

さらに起業時だけではなく、アマゾン倉庫のオペレーションでは

トヨタのあんどんシステムなどを採用している。

 

中途半端にコピーすると失敗し、完全にコピーすれば成功すると語っている。

完全にコピーすることは実は難しいのではないかと、僕は考えている。

完全にコピーできる調査能力と実行できる実力を兼ね揃えて初めて

完全コピーできるからである。

そのシステムの肝は何なのかを見極める力がベゾスはすごいのかもしれない。

 

「迅速かつ慎重かつ大胆」

ぼくがこの本を読んでベゾスに対して持ったイメージである。

ベゾスは起業する際にアマゾンの準備に1年もの歳月をかけている。

「とりあえず始めて、少しずつよくしていこうと」いう、

日本ではありがちなスタートを取っていない。

それは中途半端なシステムで顧客に悪いイメージを持たれるのを避けるためだ。

アマゾンといえば、書籍の販売から始まったのは有名である。

アメリカでの書籍販売といえば、最大手のバーンズ&ノーブルであった。

正面から戦えば、駆け出しの企業など相手にならない。

そこでベゾスはバーンズ&ノーブルに気づかれないよう準備を進め、

圧倒的スピードとサービスでバーンズ&ノーブルを凌駕することで

一気に市場を征服しようとした。

これこそがアマゾンの経営戦略だった。

IT業界ではわずかな時間が致命的となる場合が多い。

迅速と慎重の二律背反を見事にやってのけたのである。

 

 

「長期的経営思考」

2~3年の時間軸で仕事を行うと、たくさんの競合と闘うはめになる

しかし、5~7年の時間軸で動く企業はほとんどいない

だから5~7年の時間軸で仕事を行うとわずかな競合と闘うだけですむ

結果、多くの企業がやれないような事業に乗り出すことが可能になる。

まして10年待てる企業はごくわずかだ

だから、できれば10年単位での経営を考えたい

このような理論をベゾスは持っている。

アマゾンは最近でこそ黒字化しているが、しばらくの間、ずっと赤字経営であった。

その際に短期的な結果を求める周囲の人間も多かっただろう。

ベゾスのこの長期的経営思考があったからこそ、目の前の利益は無視して、

長期的に優位に立てる土台を作っていたと考えられる。

 

目の前の忙しさや利益に目がいっていないか

自問自答したい事例である。

我々サラリーマンでも新人なら1年、中堅なら2~3年、役職者なら3~5年、

役員クラスなら10年以上先を見据えて仕事ができたなら将来が変わるかもしれない。

上司より長期的視点を持つことで、うまい立ち回りや説得力のある考え方を

持つことができるかもしれません。

 

 

まだまだ紹介しきれないすばらしい内容が盛りだくさんでした。

これは繰り返して読みたい1冊となりました。

 

ジェフ・ベゾス アマゾンをつくった仕事術

ジェフ・ベゾス アマゾンをつくった仕事術